第14章 ガードマン
「行ってきまーす」
「あれ、今日早くない?」
「帝光祭の準備があるから!」
「へー」
お姉様、自分から聞いた割には興味無さそうですね。
まあ良いけどー。
今日は一日中雨だと朝のニュースで言っていたから、お気に入りのオレンジ色の傘を持って外に出た。
「よお」
「……………」
「は、オイコラ、無視か」
「…え、何で大輝いんの?」
ドアを開けて真っ先に目に飛び込んだのは背の高い青い髪。
傘をさした大輝が家の前に立っていた。
「昨日ガードするっつっただろ」
「え、ガードって家出たときから始まるの?」
「たりめーだ。家の場所バレてんだからな」
「いや、さすがに朝っぱらから家には来ないかと…」
「うっせーな!幼馴染みの特権見せつけてやんだよ!」
「へ…?」
菅原のヤロー幼馴染み舐めんじゃねーぞクソ、と何かブツブツ言いながら大輝が歩き出したので、私もついていく。
あぁビックリした。
朝から心臓止まるかと思った。
だって遅刻常習犯の大輝が、いつもより早く家を出た私より早く起きたってことでしょう?
これは、さつきに報告…したい!しちゃおう!
「瑠衣、これから行き帰りは俺と、昼休みは用事がある時以外俺のクラスに来い。
俺の部活の時は体育館にいればいいし、あと…」
「ス、ストップ!待って!」
「あ?」
「そんなに一緒にいなくて大丈夫だって!」
「何でだよ、アイツが近寄る隙無くすためだぜ?」
「だ、だって…!」
そんなに一日中一緒にいるとか……か…彼女かっ!!
しかも束縛付きか!
一日中一緒とか心臓もたない!
って感じなんだけど…。
「ほら、大輝にそこまでしてもらうのは申し訳ないし…」
「近くにいねーと俺が心配なんだよ」
……………何だって?
ナニ?コイツ天然なの?
今日の大輝甘すぎる…!
私に甘すぎだよ!!
心配とか、本当に彼女みたいじゃん。
心臓に悪い…。