第12章 作戦会議
「瑠衣どう?面白い?」
パイプ椅子に座って練習を見ていた私にさつきが話しかけてくれた。
「うん、面白い。ルールは何となくしか分かってないけど…」
「でも青峰君たちのバスケはルールが分からなくても面白いよね」
「ああ、確かに…」
ロングシュートやダンクなどの派手なプレーが多い彼らの試合は初心者でもその凄さが分かる。
「ん?今ボールが曲がった…?」
「テツ君だよ!テツ君がミスディレクションを応用したパスをしたの!」
「みす…?何?てか、あれ黒子くん?」
プレー中の黒子くんを指差すと、さつきが目を輝かせながら頷いた。
わーお、かっこいいじゃないですか。
バスケ中と普段のギャップ凄いね。
「みんなバスケ上手だね」
「ふふっ、見直した?」
「…ちょっとだけ」
一年生の時に数回来た時以来だから尚更上手く見える。
私はみんなのバスケを見ながら呟いた。
「私、この空間好きだな」
「え?」
「なんか…ここに来ればみんないるから。落ち着ける気がする」
バスケ見て落ち着くってのも変な話なんだけど、と言いさつきを見ると、優しい笑みを浮かべていた。
「また見にきなよ。瑠衣なら大歓迎!」
「…ありがとう。さつき好き」
「…………え!?」
さつきが大きな声で叫んだから練習中のみんなが一斉にこっちを見た。
「さ、さつき…!?声大きいって…!」
「私のこと好き!?嫌いじゃない!?」
「は?どうして?」
「だって、瑠衣、一度も好きなんて言ってくれたことなかったから…!」
「昔に1回くらいなかったっけ?」
「ないよ!」
「マジで?」
そこまで言うなら本当にないんだろうなぁ、と思ったけど、自分でも地味にびっくりだ。
普通の女の子って2日に1回くらいのペースで好きって言うもんだよね?
あれ、私の思い込み?