第1章 記憶喪失
「確かに…、はい。
受け取りました。
ありがとうございます。
では失礼しますね。」
ニッコリ笑って、
お辞儀をしてドアを閉めようとゆっくり動かした瞬間、
ガン!
何か当たったような音がした。
何ごとかと下を見れば、彼が足でドアを止めていたのだ。
「え??!……大丈夫!?ごめん!」
私は急いでもう一度
ドアを開けた。
「ああ、平気。あのさ、まだ話し終わってないんだけど。」
「え、ごめんなさい。
任務の件?」
「俺のこと、
は嫌いなわけ?」
「…………は?」
突然へんな質問に
私は呆気に取られた。
「、
目をみて話ししてよ。
俺にだけなーんか、
冷たい気がするのは
気のせい?」
「……。」
シトシト、何かに当たって、
ぽちゃん、ぽちゃん、と
雨音が響いている。
私は言葉を選びながら、
沈黙を破った。
「……そんなことないよ。
カカシさんの気のせいだって!
もうドアを閉めていい?」
下手くそな笑顔を彼に向けて、
ドアを閉めようとするが、
一向にどいてくれない。