第1章 記憶喪失
「好きなの、カカシが。
今は好きじゃなくても良いの。
お願い、付き合ってほしいの…ダメかな?」
「え、本気で?うーん、
のことそんな風に思った事ないんだよね、俺。」
「そこをなんとか!
カカシ様ーお願い!」
「あはは、
、
なんて頼み方だよ。
うーん…ま、いっか。
良いよ、付き合っても。
これからよろしくね、
。」
カカシはすごく困っていた。
だけど、絶対付き合いたかったから、本当に強引に押し込んでオッケーをもらったのだ。
だから、本当に好き同士ってわけじゃなくて、私が彼にぞっこんだっただけなのだ。
だから、もしかしたら
彼にとっては
別れる絶好のチャンスなのかもしれない。
だから、何も言わず
そっとしていた方が良いと最近は思うのだ。
食べ終わった食器を片付け、
朝の身支度をした。
時折、手が止まり、
溜息をついた。
はぁーっと大きな溜息を
つきながらソファに座る。
シトシト降り注ぐ雨を
窓から眺めた。
「、可愛い。」
記憶が無くなる前に会った時に言われた言葉がまだ耳に残っている。
彼が私を抱きしめながら
言ってくれた言葉だ。
まだ、
少しも忘れることが
出来なくて、
ただ、悲しかった。
しばらく
涙を流して
どっぷり
失恋モードに入っていた。
カカシが口布を下ろして
私にキスをして
優しく笑いかけてくれる姿が
凄く大好きだった。
ずっと好きで好きで
私に好きだと
伝えてくれたのは
何ヶ月も付き合った後
だったけど、
それが凄く嬉しくて、
泣いた事を今も覚えている。
もう一度初めから告白したら、また付き合ってくれるだろうか。
だけど、そんな事ある訳がない。あの時良かったかもしれないが、今回もオッケーもらえるなんて分からない。何より、彼が私をもう一度好きになってくれるかなんて、到底分からない。
私は涙を手で拭きながら
大きな溜息をついた。
私はずっと
同じ事を繰り返し考えている。
答えは一向に出てこない。