第1章 記憶喪失
カカシとお付き合いしていた事を誰にも言っていない。
こんなことになるなら
誰かに言っておけば、
また違った展開に
なったのかもしれないが、
もう後の祭りだ。
言わなかった理由は
身を守る為だった。
彼は里の誉れであるため、
特に目立つ、そして隣に歩く女性に嫉妬という刃が向きやすい。
身をわざわざ危険に晒したいバカはいないはずだ。
その判断が今回の結果に招いた。リスクを背負わず、いいとこ取りをしていたのだから、
こんなバチが当たったのかもしれない。
それに、
覚えてもないのに
今更じつは私は彼女だなんて言われたら、気持ち悪がられるんじゃないか、嫌がられるんじゃないか、そう思った私は臆病にさらに拍車をかけた。
彼から思い出さないなら、
このまま自然消滅だろうなと
思っている。
そう思うのは
私から告白して、
無理矢理付き合ってもらって
いたからだ。