第1章 記憶喪失
やっとカカシが私を解放してくれた時には、もう辺りはすっかり日も暮れていた。
そして、あんなに降っていた雨が、いつの間にか上がっている。
「お、雨止んだね、お腹空いたなぁ、なんか食べに行こうよ。」
「…うん、いいね。
だけど
喉カラカラ…」
そういうと、ヒョイとコップに水を入れて持ってきてくれた。
それを飲み切り、
フゥーっと大きく息をした。
私の隣に座り
クスクス笑ってる
カカシがいる。
「…見ないでよ、もう。」
何かおかしい。
行為が終わった後も
ずっと
私を愛おしそうに
触って、見つめている。
「好きだよ、
愛してる…」
肩を抱き寄せ、頭を撫でながら
低く濡れたような声で呟いて、
確かめるように
甘いキスをしてくる。
「も俺が好き?」
私は顔を見つめられて
恥ずかしくて、
目を逸らしたが
グイと顔を向かされた。
「言えよ、早く。
俺が好きでたまらないって。
言わなきゃ帰るよ?」
「えっ!?……嘘、待って!
あの、カカシが…
好きでたまらない…の。」
顔を真っ赤にしてカカシに言うと、彼はふふっと笑ってキスをした。