第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
「なに、このイケメン集団んん!? ナス子、一体なにしたのっ。ぼくへの当てつけか何か?! 頭身が違いすぎてすっごく惨めなんですけどぉおおおお!」
「ははっ、ピンクのお兄さん。 僕らのオードリーヘップバーンに手出しはさせないよ? なんたって彼女はこの世界を救う事の出来る唯一の女性なんだからね、ね! トド松」
オードリーヘップバーンって何!古っっ!
もうちょっと違う例えとかなかったのぉ?!
「十四松兄さんったらぁ、 それはもう古いって言ってるでしょ? もっと新しい事を勉強しなくっちゃ溶け込めないんじゃない?」
名前が十四松。トド松。
やっぱり名前が六つ子と一緒だ。
「うむ、マカロン美味い」
イケメントド松に差し出されたマカロンが美味しそうでつい食べてしまった。
マカロンは食べた事があるけどピスタチオのマカロンは初めて食べる、中々美味い。
お勧めされたお菓子といい、ピンクの日傘といい女子力の違いを感じるぜ。
「あ、なんかちょっとだけ元気になった……かも?」
「良かったぁ、マスター! MPが減ってたからマカロンで回復しておいたよっ」
なんと素晴らしい!!
みるみる減っていた私のMP、このままではまたぶっ倒れるのではと思ったが気が効くイケメンピンク男性のお陰で全回復している。
イケメンって……凄いんだな。
いや、イケメンに限らないかもだけど普段私の周りの6人の救えない男性はこんな事絶対しないし。
「よし、このままトド松を倒し━━━━━━━━」
【 F から放たれる眩い光によ りトド松 は 倒れた】
「くっ……もう、だ、め」
「早っ! 弱━━━━━━━━っ!」
まだ何もしていない、何もさせていない。
なのに何故だ、この二人のイケメンは倒れる程のイケメンなのか?
確かに二人のバックにはキラキラしたエフェクトにいい香り、花まで舞っている気がするが……。
「よーし! そろそろマスターのMPがまた減っちゃうから行くね、困った時はいつでも僕達を喚んでね、マスター」
「うーん、もっとマスターとお喋りしたかったけど……ざぁんねん! またレベルアップしてゆっくり出来る時に美味しいお菓子を食べながらお話しようね」
ポカンとした表情の私を余所に、またキラキラフローラルな香りと煙を残し消えてしまう二人。