第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
こ、こんな時こそ召喚を……
あ、でもハリセン掴まれて文字読めない。
呪文忘れちゃった、なんだっけ……えっと……
「光のなんとかより来たりしえーっとなんちゃらなる者たちよ、我に力を与えたまえ! 今ここに契約者……ナス子が命ずる!!」
【 ナス子 は 呪文 を唱えた 】
━━━━━━━パコォオオオオオオオオオオオン!!
「おぼぇっっっっ!!」
【 失敗 上から タライ が落ちた 】
「あ、失敗したけど成功した?!」
今のうちにとタライが頭上にヒットしたトド松の隙をついてハリセンを取り上げて床に転がり落ちる。
このままやられてたまるかと思うが相手はトド松と言えど男性。
身構えてしまうが私もレベルが上がったのだ。
ここで負ける訳にはいかない━━━━━━━━━━。
もう一度ハリセンの文字を読み唱え直す。
あ、呪文全然違ってた!!
「光の故郷より来たりし神々しき者たちよ、我に力を与えたまえ! 今ここに契約者……ナス子が命ずる!! Fしょうかああぁん!」
「え?!」
不意をつかれたトド松は私の攻撃呪文を聞いて振り返るが、召喚呪文を唱え終えたのだからもう遅い。
私の元にかけよりすぐに私の胸倉を掴もうとするも、キラキラした煙と共に登場した人物達二人に止められた、と言うか身長と体格の違いで前に入られて前に進めなくなった。
「あー!! やっと喚ばれたぁぁぁぁ、君がボクのマスターかな? セクロス、あっ、間違えた! ふふ、喚んでくれてありがとうマスター」
━━━━━━━━っ、だから、誰だよ!!
なんで召喚する度に違うヤツらが二人ずつ出てくるの?!
しかも決まってイケメンとはこれまたいかに。
「戦闘? ん~、僕はあんまりこいうのは好きじゃないなぁ。 十四松兄さんに任せちゃおうかなっ。えへへ、マスター! ぼくと一緒にピスタチオのマカロンでも食べよっ」
今度は黄色い髪をした甘いマスクのイケメン。
発言が意味不明だが、頼りにはなりそうだ、多分。
もう一人はピンクの髪をして室内なのにピンクの日傘をさして私の腕を組みお菓子を勧めて来る可愛い系のイケメン男性。