第37章 第三十六章
ま、放っておこう。
他の皆も冷めた目をしてチョロ松を見てるし。
思ってる事はだいたい私と同じだろう。
さてさて、お姫様はこの館に囚われてるって話だけど、どう探したものか。
ちなみに今私達がいる階は全ての部屋を一松と散策済だ。
「この階は私と一松が全部の部屋を見てきたから、もう何もないと思うよ」
「隠し部屋がない限り、だけどね……見た所そんな所はなさそうだったけど」
私の言葉に一松が付け足してこたえる。
一つ一つ部屋を調べる際、何かいいアイテム落ちてないかなぁ、なんて思いながら二人で念入りに部屋をチェックしたんだよね。
だから隠し部屋があったとしたら見つかっていたハズだ。多分。
一松の細かいチェックのおかげで回復薬より上の回復剤を結構見つけられたりM P剤をゲット出来たりしたのでありがたい。
一松って結構細かい所を見るのが得意な気がする。
同じ六つ子でも結構違うよねぇ、改めて皆をつい見回すと不思議な顔をされてしまった。
「じゃあ1階か3階かぁ、この館広いんだよなぁ。どうする?ここは別れて探すか?」
「おそ松の言う通り、別れて探した方が手っ取り早いんだとは思うけどさぁ……」
盗賊のアジトの時も別行動して上手くいった。
いったけど……、この館は盗賊のアジトの時と違って情報が少ない。
それにまた離れ離れになってしまって誰かが捕まってしまう可能性も……
そして私はここにきてやっと思い出す。
「あ!!皆に言うの忘れてたっ、見てこれ」
ポケットに入れていた袋を取り出し皆に開いてみせる。
そう、さっき一松が渡してくれた水晶達が入っている袋だ。
____________カッ
一人一人がその玉を手に持った瞬間、皆の水晶が光り、一松の股間が紫色に光っている。
どうして、どうして一松までそこに仕舞ってるの……。何かのルールなの、それって。
やれやれ、でもまぁ良かったよね、うん。