第8章 【番外編】マツノトクエスト 第七章
じゃなくて早く逃げなきゃ、だってこれって絶対に━━━━。
「本当はナス子は全く僕のタイプでもないんだけどさ、仕方ないよねぇ。命令だし。……今すぐその純潔を失くしてあげるよ、このぼくの手で」
「やっぱりそうきますかーっ!!」
「ふふっ、やっと理解した? でももう遅いから。せめて痛くないようにしてあげる! ……諦めなよ」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!
私の心臓が緊急事態を告げてまるでパトカーのようなサインを鳴らしている気がする。
あ、心臓じゃない、脳か。 心臓がサイレン鳴るとか怖いよなぁ━━いや、馬鹿ヤロウ!!
自分突っ込みしてる場合じゃないだろうっ。
今声を出してもバカ騒ぎしてる二人には多分声は届かない。
でも私は旅を続けてこのゲームをクリアしないと元の世界には帰れないし。
「トド松、ちょ、ちょーっとお姉ちゃんと話し合わない?」
「はぁ? お姉ちゃん? 何言ってんの」
でーすーよーねー。
今の私とトド松の関係は敵同士、幼馴染でも弟でもない。
でも私だってもう立派な冒険者のパーティ。
自分の事は自分で守らないとこの先だって旅は続くんだから!
例え自分のレベル15でも……トド松のレベルはいくつかわからないが多少は攻撃出来るかもしれない。
床に隠しておいたハリセンを拾いトド松を殴りにかかる。
【 ナス子の攻撃 ナス子 は トド松 にハリセンを振り下ろす 】
━━━━━━━パシリ
【 笑止!! トド松 は ナス子の攻撃を受け止めた 】
「えぇ?! おそ松とカラ松は普通に殴られてきてくれたのに、止められた?!」
「それは勇者とカラ松が弱いだけだったんじゃないのぉ? こんなチャチな攻撃、ぼくには通用しないよ? ふふーん」
滝汗が止まらないし心地よく酔っ払っていたからか力が上手く入ってなかったかもしれない。