第6章 【番外編】マツノトクエスト 第五章
しかし何故部屋の中に車?!訳わかんないんだけど?!!
これってどういうシチュエーションなの?!
子猫を窓の外に開放して私を睨み下ろすカラ松と言う人。
同じカラ松でもこっちのカラ松は口も悪くなんだか変な感じ。
この人も武闘家カラ松と全く同じ服装をしている。
名前も同じで恰好も一緒、だけどあの二人には申し訳ないけどイケメンは何を着ても似合うんだなぁ。
アイツらと印象が全然違う。
「チッ、まさかこんなブスに俺様が召喚されちまうとはな……まぁいい、俺が仕えるんじゃねぇ、俺が! お前を飼いならしてやるよ」
そういうイケメンカラ松は私の手を握っているおそ松の肩を押しのけて私のベットの背もたれに手を付きいわゆる壁ドンなる事をしてくる。
「ぎゃあああああああぁあ!! こ、怖い! 超絶怖いっ、半径5m以内に入ってこないでええぇえええ!」
最早私のMPはギュンギュン減って行く。
距離の近い筋肉質の青くて偉そうでぶん殴りたい男の胸を力一杯押し返した。
男性不信からの恐怖と、多分コイツらを召喚したからか疲れが溢れる。
「あぁ、君はまだレベルが低いみたいだね。僕達を喚び出していられる時間もどうやら限界のようだ。残念だけど、そろそろお暇しなきゃかな……この後のスケジュールもいっぱいだし」
「なんだよ、今日はキャンセルしねぇのか?」
「いいや? ジャスティス、オールキャンセルっ」
その言葉を決め台詞かのように、私に視線を向けたイケメンおそ松はウィンクをもう一度私にして、イケメンカラ松はフンっと一瞬私を睨むとドロンと言う音とキラキラ輝くモヤ、いい香りを残し消えていった。
「と、とんでもねぇモン召喚しちまったぜ……」
HPは満帆だけどMPはすっからかん、最後の最後にあの二人が消えて行くのと同時に私は体に途端力が入らなくなりその場に倒れ込む。
身体がすっごいダルイ、なにあれ? 結構レベル高い召喚獣なの?
眠い、ひたすら寝たい。疲れた。
ゲームの世界なのに、やっぱり私もどこに行っても思う事は一緒なんだ━━━━━━━━━━。
睡魔に逆らえず、もう目も開けてられなくなると、まだパーティメンバーは帰宅していないがそのままベットに横たわったまま眠りについてしまう私であった。