第6章 【番外編】マツノトクエスト 第五章
得体の知れないものを召喚してしまったのではないかとベットの隅に寄って枕を盾にした。
「やぁ、お姫様。君が僕を喚びだしてくれたんだね」
「うぉっ、イケメンが出てきたっ!! 口聞いた! なんちゅー召喚獣?!」
目の前にいるのは頭身も高く顔も超絶いい赤い髪の男性だ。
いきなり私の前に進み出て、そのまま私の枕にソっと手を添える。
動きまでなんかエレガント!
なんだこれ、見た感じ爽やかジャスティスのような存在でカリスマ感が半端ない。
恰好はおそ松と全く同じ恰好だが、似合う様が全く違う。
だがしかし私はイケメンに全く興味がない。
今思えばここはファンタジーRPGと言えど新感覚の体験ゲーム。
自分もその場にいるからか全く萌えはしないしタイプでもない。
「…………あの、だ、だだ誰ですか?!」
いきなり大きい男の人が近づいてきたら怖いよね、怖いよ!
自分が召喚したとしてもハリセンで殴ってもいいのかな。
「ははっ、やだなぁ。君が俺達を召喚してくれたんだろ? なぁ、カラ松」
「あぁ!? とんだブスに召喚されちまったモンだぜっ、ったく面倒臭ぇな!!」
いつの間にか頭身の高いイケメンが2人いる。
赤いイケメンの後ろにいたから見えなかった。
礼儀正しそうな赤い髪をした男性、ぶん殴りたくなる事を言う乱暴な口調な青い髪のこれまたイケメンで頭身の高い人物。
「召喚、やっぱりこのハリセンの……」
ハリセンを見ると文字が少し光っている。
ただのハリセンと思いきやとんだレアアイテムを入手していたらしい。
「そう、それは純潔で伝説の乙女にしか使用出来ない唯一のアイテム。俺達を自由に出来るお姫様は君って事だね、マスター」
爽やかなイケメンが枕をとりあげてウィンクを決めてくるがカラ松と違って様になっている。
でも痒い。
男性不信の私は身じろぐが私の手はグっと引かれ離してもらえない。
「おい、おそ松! そのブスは俺が最初に目をつけたんだ、気安くさわってんじゃねぇぞ━━━━━━━━━━はっ!」
突如、何故か部屋の中に車が入ってきて、目の前には子猫。
それを青いイケメンが瞬時に庇いゴロゴロと転がる。
━━━━━━━や、優しい!!
「大丈夫か? もうこんな危ない事するんじゃねぇぞ」