第6章 【番外編】マツノトクエスト 第五章
「姉ちゃん、ちょっと負けてよぉ! 俺達今500Gしか持ってなくってさぁ」
「あぁ、それなら一部屋500Gでいかがですか?」
「えー……3人一緒の部屋ぁ?」
別にいつも一緒にいるようなモンだし嫌じゃないけど、さっきの戦闘で全くと言っていい程助けてくれなかったコイツらと同じ部屋になるのはちょっと不服だ。
「仕方ないだろぉ、金ないんだし! 初っ端の冒険なんてそんなモンだってぇ」
「ここは妥協して一部屋借りるしかないだろうな」
「うー……まだ許してないんだからね!!」
文句を言いながら、仕方なく一部屋を借りる。
思ったよりも部屋は広く、ベットが二つとソファがあった。
勿論一つは私が使おうと乗っかったのだが、そこにおそ松が一緒に乗っかってくる。
「なんで私のベットに入ろうとしてくんの? 勇者なんだから勇者らしくスマートに乙女に譲ろうよ」
「どう見てもその恰好が乙女じゃないけどなぁ。何で俺がお前に譲らないといけないんだよ? 勇者だからこそ! 俺がベット使うしっ……あ! なんなら一緒に寝てやってもいいけど?」
「いい、私はそっちのソファで寝るから」
「ナス子、レディをソファで眠らせる訳にはいかない、俺がそっちで寝るからお前はこっちのベットで寝るといいだろう」
こっちの世界で会ったカラ松は残念な所が多かったが、優しい所は変わってなかったようだ。
イタイ所も変わらないけど、こういう所も見れてホッとする。
「カラ松~~!! やっぱり優しいよ、あんたは!!」
「そ、そうか……フフン、惚れてもいいんだぜぇ?」
「うん、惚れないけどありがとう!!」
早速カラ松がソファに寝転がり、私は譲ってもらったベットにダイブする。
はぁ~~~~~~、異世界でもベット気持ちいい。
フカフカで癒されるしなんだか元気になってくる気がする。
「そう言えばカラ松、お前さ。何で最初は俺達の事攻撃しようとしてた訳?」
あ、そうだった。
ついカラ松の優しさに忘れていたが私もそれを聞きたいんだった。