第6章 【番外編】マツノトクエスト 第五章
【 勇者おそ松一行は次の街 モリヌケの街 に到着した 】
「疲れた、HP吸われたし薬草はアンタ達がほぼ食べちゃったし……装備変えたいけどちょっと宿に泊ってかない? セーブもしなきゃだし」
RPGのお決まりパターン、宿では宿泊すればHP・MPが全回復する上にセーブまで出来る。
もしここでセーブをしなければもしかしたら最初の流れに持ってかれるかもしれないのでそこは念入りにセーブをしておきたい。
なんとしてもあの村からのスタートだけは避けたい。
「宿ぉ? んな金持ってないよ俺ぇ」
「嘘おっしゃい! さっき何匹かモンスター倒した時にゴールド落ちてたの見てたんだから!!」
そう、モンスターはアイテムを落とす事もあるしゴールドも落とす。
モンスターによっては大めにゴールドを手に入れる事も出来る。
運良く多めのゴールドを落としたモンスターがいて、宿に一日は泊まれるくらいのお金は調達出来たハズだ、相場知らないけど。
「えー、俺これからお姉ちゃん達の店に遊びに行こうと思ってたんだけどぉ?」
「しかしおそ松、俺達も多くの戦闘で薬草だけではHPが回復しきれていない、カラ松ガール達の店の元に行くのも捨てがたいが、ここは体力を回復すべきだろう」
意見が別れたが、結局お姉ちゃんの所に行きたい思いは二人は変わらないようだ。
しかしカラ松はおそ松よりマトモな意見を口に出してくれて安心する。
宿に入ると、そばかすで二つ三つ編みをした受付のお姉さんが元気に話しかけてきた。
「いらっしゃいませ~、ご宿泊ですか? セーブですかぁ?」
「宿泊でお願いしまーす」
不服そうなつまらなそうな声でおそ松が仕方なく答える。
ゲームと言えどこの態度は失礼だろう。
「ご、ごめんなさい! コイツ、マナーとか全然出来てなくって」
「ご宿泊ですね! 一人1500Gになります!」
「「「高っ」」」
そしてお姉さん、ゲームキャラだからなのか私の言葉は上手く通じていない。
こうコミュニケーションが取れないのはちょっと悲しいな。
これは後でハタ坊にテストプレイの参考として言っておこう。