第6章 【番外編】マツノトクエスト 第五章
「え、あ……お、俺は実は、魔王直属の部下の……トト子様の、その、下僕だったんだ。勇者おそ松を退治してこいと言われたのだが、案の定死闘の末負けてしまった訳だが」
死闘など繰り広げていないと言うか、勝手に死んだと言うか。
でもなるほど、カラ松はこの世界に来て敵と言う配役を与えられてしまったのか。
自由に動き回れる訳でもないのかな、このゲームは。
「うーん、しかもトト子を配役に混ぜるとかハタ坊も粋な事をするなぁ、ってか強そう」
「あぁ、あのお方は強い。だからこそ俺も究極の超絶な可愛さに適わず従っていたのだが、自分が伝説の人物だと知った時目が醒めた。トト子様を裏切ってしまった事だけは恐怖しているが仕方ない」
現実でも親衛隊な訳だしそこは仕方ない事か。
でもそう考えると、私達は後々トト子と戦う事になるんじゃないだろうか……嫌だなぁ、幼馴染と戦うなんて。
戦うなら断然カラ松や他の残りの弟達の方がいい。
日頃のうっ憤も兼ねてハリセンで殴り倒したい。
「ちょっと身体ベタベタしてて気持ち悪いままだしお風呂入ってくる、確か地下にあるんだよね」
「あー、なんかそんな事言ってたな。俺達も行くか、カラ松」
「そうだな、戦闘で汗もかいたし丁度いい」
部屋を後にして男女別の湯に浸かり、また体力が回復する。
自分の経験値を見ると……
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名前:ナス子
職業:純潔の乙女
LV2 経験値××
装備
クソサングラス
クソ黒い革ジャン
クソタンクトップ
旅立ちの革靴
髑髏のバックル
煌びやかなクソイタイズボン
武器、ハリセン
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「ハッ!! 装備はもう仕方ないとして、役職が純潔の乙女!? 待て、これ人様に新品って言ってるようなものじゃないの?! なんっだよこの辱め!! マジハタ坊も殺すっっ……おお、いつの間にかレベルも上がってるやぁ、カラ松を倒したから? それとも道中で適当なモンスターを殴るだけ殴ったからかな?」
自分のレベルが上がっているのを見ると、やはり自分はゲーム世界にいるのだとニヤけてしまう。
ここは部屋に帰ったら二人に自慢してやろうと考え期待して部屋へと戻って行った。