第9章 出逢い
秀吉視点(Another side)
昼頃、目を覚ましたは半兵衛、官兵衛と共に豊臣領にあるという【神器】と思われる物を探しに神社へ向かって行った。俺も出来ればついて行きたかったけど、溜まった政務があるしいい加減片付けないと三成が困った顔するしなぁ…彼と軍議も有るし。2人が付いているから大丈夫。そう思っていた。けれど、俺の読みは甘かったらしい。
「秀吉、様…すみません、僕…ちゃんを…。」
あまりにも帰りが遅く、門で3人の帰りを待っているとやがて人影が見えてきた。しかしその影は、どう見ても2人分しかない。はっきり見えたその姿を見て俺も、三成も利家も愕然とする。ボロボロになって戻って来た半兵衛を官兵衛が支えて帰って来たのだ。しかもそこに、は居ない。体から血の気が引いた気がした。
「おい、何があったんだ!?」
「…織田軍の、明智光秀が奇襲に来た。」
「なんですって…!?」
官兵衛が言うには、神社へ着く直前にを狙った明智光秀と遭遇した後半兵衛と、官兵衛で分かれてしまった。逃げていた半兵衛とは崖下の川へ飛び込み織田軍は回避したものの…そこではぐれては行方不明に。半兵衛は大量の厄魔に襲われ、駆けつけた官兵衛と戦ったけれど深手を追ったらしかった。明智光秀…!!
「…報告ありがとう。兎に角半兵衛は直ぐに手当ををしてあげて。三成、利家は俺と一緒に大広間に来て欲しい。官兵衛も半兵衛を運び次第悪いけど、軍議に参加して。」
湧き上がる苛立ちを抑え告げる。はぐれたは今何処だ?半兵衛が厄魔に襲われたのなら彼女も襲われる可能性は大いにある。それにしても最近厄魔の出現率が上がっている…?
様々な思考が脳内を巡っている内に大広間に着いた。辺りは一瞬緊張に包まれるが直ぐに利家が声を上げる。
「くそ…!オレも一緒に行ってりゃどうにか出来たかもしんねぇのに…!」
「まさか昨日の今日で織田軍が彼女を狙って来るとは思っていませんでした…。私の読みが甘かったです。申し訳ございません。」