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夢現【戦刻ナイトブラッド】

第5章 計画


何となく気になって、三成さんの計画書を後からそーっと覗いてみる。何書いてあるか全然読めないけれど…進んではいる…のかな?

「…あぁ、もう!見られていては集中できません!じっとしていられないんですか!?」

「わっ!」

「っ…!!」

急に振り返った三成さん。その距離の近さに驚きの声を上げると三成さんも同じように1度言葉を詰まらせた。そしてすぐに肩をやんわり掴まれ押し返される。

「い…今すぐどこかに行ってください。これから別の資料に目を通したりと忙しく……ああ、そうだった…。資料の買い足しに行く予定が、あなたのせいですっかり狂ってしまいました。」

「!!私が代わりに買ってきます!昨日城下町に行ったので任せて下さい!」

「そういえば、利家と聞き込みに行ったそうですね。……でしたら、城下町の本屋で資料の購入をお願いします。」

やっとひとつ手伝えることが出来ると思うと少し嬉しかった。そもそも手伝う必要が出来てしまったのは私のせいな気がするけれどそこは目を瞑ろう。

「わかりました!」

「では、南部に関する風土記や簡易地図、地質に関する記述があるものを片っ端から手に入れて来て下さい。これがお金です。」

「風土記、簡易地図、地質の本ですね。」

「いいですか?迅速、かつ大量に。お願いしますね。」

「はいっ!行ってきます!」

立ち上がり、受け取ったお金の入った包を持って三成さんの部屋を出る。遠くから呼び止める声が聞こえた気もしたが、おつかいを頼まれた嬉しさから耳には残らず嬉々とした気分で城下町へ降りた。
さてと、本屋さんを探せばいいんだよね。城下町は広いけれど、小物屋なら小物屋で固まったりしているし、探しやすいはず…!

「こっちかなー。」

適当にうろうろしてみる。…けれど一向に本屋の立ち並ぶ通りには出られない。何故。私が思っているより城下町って広い…?
気が付けば随分時も経ってしまったようで、辺りはうっすらと暗くなり始めていた。迅速に、って言われてたのに…!流石に少し困ってしまい立ち止まる。

「全く、地図を受け取る前に走り去るとはいい度胸ですね。」

後から聞こえてきた声にバッと振り返ればかなり呆れ気味の三成さんがそこには立っていた。呼び止める声は、地図を渡すためだったのか!
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