第4章 日常
「あの辺って確か洞穴があったよね〜?その辺に拠点を作られてたらちょっとめんどくさそう…。」
「だが、拠点を作るならあそこが1番都合がいいだろう。」
「そうだねぇ…よし、利家と官兵衛は敵の本拠地を突きとめて!」
「了解!」
「承知した。」
「三成と半兵衛は南部の集落と地形の資料を集めて!」
「承知しました。」
「は〜い。行こう、三成!」
皆各々解散してしまった。…どうしよう、私も三成さんたちの手伝いして来ようかな。ここで住まわせてもらっている以上ほかの人達の役に立ちたいし。
「秀吉さん、私も三成さん達の手伝いしてもいい?」
「あ、待って。とは大事な話が有るんだ。ちょっと座って!」
肩に両手を添えられ縁側へ強引に座らせられる。秀吉さんもその隣に座りだらりと足を投げ出す。
「大事な話?」
「そう、あんたの血の話だ。」
血、か…。結局姫神子様と同じ力を持っているって事しか分からないんだよなぁ。
「そもそもは今まで何処で過ごしていたの?少なからず神牙ではないよね。」
「そうだね…。」
言うべきか、な…。どの道自分一人で姫神子様を見つけるのは難しそうだし秀吉さん達の力を借りる方が良いのは明白だ。元の世界に帰りたいなんて事を言えば全身全霊で引き止められそうだけれど。
「教えて、あんたのこと。どうしてに姫神子と同じ力が宿ってるのかちゃんと知りたいんだ。」
「…分かった。話すよ。信じてくれる?」
「もちろん。」
何処から話そう。洗いざらい、話した方がいいかな。変に嘘をつくより。
「私はこの世界の人間じゃない。」
「国、じゃなくて世界…?」
「そう、元々私は全然別の世界で生きてたの。そして私が生まれるもっともっと昔、戦国時代があった。この神牙みたいに武将達が天下統一を目指して戦ってる時代。だから、初めて秀吉さん達の名前を聞いた時私は過去に来たのかと思ったんだよね。」
「その、戦国時代に神牙の環境が似ていたから?」
「いや…そもそも織田信長とか、豊臣秀吉とかこの世界に居る武将が私の世界にも居たからかなぁ。」
「そうなの!?」
「そうだよー。私の世界では豊臣秀吉も織田信長も吸血鬼では無かったしただの人間だったけど。」
「…なんか変な感じだなぁ。別の世界に俺と似たような人物が居たって。」