第12章 決議
とどのつまり、姫神子様さえ見つかれば厄魔の出現自体が無くなるかもしれない。そう結論着いた。
「ふむ。だが、その姫神子様がどこにいるのか、それは分かっているのか?」
「い、いえ…それが分かってないんです。」
「おいおい、なんだよそれ。じゃあ結局、この厄魔問題は直ぐには解決しないって事なのか?」
「で、ですが、手がかりならあります。」
「手がかり?」
「それは……彼女です!」
イマリは私を指さした。みんな、半信半疑と言うよりも、何故ここで私が出てくるのか分からない様子だ。私もわからない。
「ん?この子と姫神子様に、なんの関係が?」
「彼女は…信じ難い事だが、異世界から来た子だぞ?」
「姫神子様との接点も無いはずだ。」
「そうなんですけど、姫神子様が姿を消す前、こう言い残したんです。『異世界から来た娘を探しなさい』って。」
「私もこの世界に来る時、姫神子様っぽい声を聞いたよ。『あなたの力を貸してほしい』って言われたの。」
「姫神子様がどういうつもりでこの言葉を残したのか、それは分かりません。でも……今、唯一、姫神子様へ繋がるであろう手がかりは、彼女だけなんです!」
「……ふむ。1度、状況を整理しようか。厄魔が現れたのは姫神子様がいなくなった事が原因かもしれない。そして、姫神子様を探す手がかりになるのはだけ。」
「それから、が元の世界に帰れる鍵も姫神子様にあるかもしれない…ってことで合ってる?」
「はい!その通りです!」
「えーっと…じゃあつまり、俺達はこれからどうすればいいんだ?」
「フッ、そんなの決まっているだろう。」
「僕たちも、姫神子様を探す…ってこと?」
「そうだな。姫神子様を探すことが、この領地のみんなを守ること…ひいては彼女のために繋がるかもしれない。」
「おおっ!一石二鳥ってやつじゃんか!よーし、燃えてきた!さっそく、情報収集にでも行くか!姫神子様を探さなきゃいけない以上、オレの情報収集能力が炸裂……」
「いや、その必要はない。なぜならこの任務は、俺以外の適任者が居ないからな。」
「はぁ?何を根拠にそんな事言ってんだよ!いいからお前は、留守番でもしてろ。」
「フッ…俺は、一声かけるだけで町の女性が次々と情報を持ってくる男だぞ?俺以外の適任者がこの世のどこにいる?」