第12章 決議
「今やろうと思ったいた所なんです。大丈夫ですよ。俺が本気を出せば、作業なんてあっという間に終わります。」
「………夕飯抜きは、絶対にいや。」
「なら、ちゃんと手を動かせ。大丈夫だ、今度は俺が付きっきりで見ていてやるからな。」
そう言って信之はにっこりと微笑んだ。…目は全く笑ってないけど。
「、少し話があるんだけど良いかな。」
「うん、良いよ。」
「ここだとアレだし…ちょっとこっち。」
幸村くんに手を引かれ着いて行った先は人のいない所だった。一体なんの話だろう…。
「昨日、君の血のおかげで厄魔を倒す事が出来た。凄く感謝してるよ。あんな危険な道を来てくれたんだからね。」
「そんな…私だって1度幸村くん達に命を助けて貰ってるんだから、お互い様だよ。私の血が役に立ってよかった。」
「あぁ…えっと、その事なんだけど。の血は、噂通り特別なものだった。けど、俺達はなんでの血にそんな力が宿っているのか全然分からないんだ。だから…もし君が良いのなら、隠している事を俺たちに話して欲しい。俺たちがを守る為に、君自身がどういう人間なのか知りたい。それに、姫神子様を探す為にも。」
真剣な眼差しだった。けれど、ちょっとだけ不安そうにも見えた。私が話す事を拒む可能性がゼロではないと思っているのだろう。
…少しだけ悩んだ。私の血のことが神牙に知れ渡ってるのはもう変わらない事実として、異世界から来たという話は今のところ豊臣の人しか知らないはず。それを彼らにも教えていいのか。何か秀吉さんの不利益になってしまわないか。色々浮かんだけれど、やっぱり私はこの優し過ぎる人達が得た情報を悪用するとは到底思えない。
「……うん、良いよ。全部話すね。」
「本当?嫌じゃないか…?」
「いいの、私も知って欲しいから。今夜、皆が居る時でいいかな?」
「もちろんだよ!」
安心した様にほっと息を着いた幸村くん。私が後どのくらいこの領に居るかは分からないけど、姫神子様を探してるは私も一緒だ。少しでも情報が欲しいから。
「時間取ってごめん、戻ろうか。」
「あ、待って!」
先に行ってしまいそうな幸村くんの手を掴み止めた。彼は驚いた様子で振り返る。