第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
「ついたぞ!」
リクが先に扉の近くへとたどり着き私へと振り返った
繋いだ手は離れないまま私はリクに引っ張ってもらったような形で連れて扉の近くへ足をとめる
薄く開いている白く大きな扉【キングダムハーツ】
その扉先でアンセムが苦しみながらこちらへと乞うように手を伸ばしていた
【闇の力ッ…あぁ闇の王よぉぉおお!】
『っぐぁ!!』
「ノラッ!」
アンセムの言葉と共に私の心がざわつき黒い闇が胸から溢れでてた
私は抵抗するように胸を抑え片膝をつくとリクが私の肩を掴み「負けるな」と励ましてくれる
『私は、闇の王、じゃないっ…闇にッ負ける、ものッですか!!』
「そうだ!キングダムハーツはどんな闇も消し去ることのできる心…
_______【光】なんだッ!!」
ソラと私の声に共鳴して扉からまばゆい光がアンセムを包んだ
苦しみ硬直するアンセムは光へ消える最後まで私へと手を伸ばし続ける
【王よ…心、を……】
「大丈夫か?ノラ」
いまだ胸を抱える私を心配そうに見守るリクに私は汗をかきつつも笑顔で頷いた
「無理をするな」
そうリクは私の膝と背中に手を添えて体を持ち上げる
驚いた私にリクは「動くと落とす」なんて脅し文句を言われて私は黙って身を任せていると近場の岩へと体をおろしてくれた
リクは片膝をついて私の汗を片手で拭い心配そうに私を見つめるがすぐに立ち上がり「あとは任せろ」と背中をむけた
扉の向かい側から聞こえるソラとドナルドとグーフィーの声
私達と同じように扉を閉めようとしているが、これほどまでに大きい扉の重さに苦労している様子
「はやくぅーー」
こちら側にいる大群のハートレスを見てドナルドは悲鳴をあげた
押し続けて閉まる気配のない扉にソラも「ダメか…」と諦めていたその時、リクが内側から扉を掴み「諦めるな!」と引き寄せていた
「何しているソラ!一緒にこいつを閉めるんだ!!」
「っ!わかった!」
二人は息をあわせて扉を押し引くと少しずつ動き始める