第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
【さみしがり屋のくせに】
ノラは俺たちと距離をあけていた…いや俺たちだけではない他人とだ
ソラがノラと友達なって、俺もノラとは友達になれそうな気がしてたから続けて自己紹介をしあった
カイリは誰とでも仲良くなれるだろう、ノラとだってすぐに仲良くなる
彼女も俺達と友達になってすごく喜んでいてソラの言っていた笑顔の件もあってか「確かによく笑う」と俺は納得していた
だがいつの日だったか…いつも通り俺とソラとカイリが三人で集まっていると彼女は次第に距離を離れている気がした
ノラはいつも『何話してるんです?』と話の輪にさりげなく入ってくるのだが、笑顔がすこし寂しそうだった
まるであの日、ソラを見送るカイリの寂しそうな顔と似ていて…
…でも当時俺にはカイリという共通の感情を共有できる大切な人がいてノラの気持ちを汲み取ることさえしなかった
わかってはいた
彼女が何かしら俺達をみて寂しそうな顔を向けることを…でも俺はそれを気づいていて無視をしていた
本当に俺の心は卑怯で、最低で、弱いやつだった…
寂しがり屋だとわかっていてキーブレードを持った彼女に嫉妬してトラヴァースタウンに一人置いてけぼりにした
寂しがり屋だとわかっていて海賊船ではソラから無理矢理剥がした
でも、彼女は一人で俺達のケンカを止めようとしてくれて俺達三人を導こうとしてくれた…
もう一人で背負わせたりなんかしない
もう一人で頑張らせたりしない
もう一人にさせない
…俺がノラを守るんだ