第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
「確かに俺はカイリのことが好きだが、ノラが気を遣わなくてもいいだろ
…てか、バレてたんだな」
『わかりますよ、ソラもリクもわかりやすいです
本人の前だと意地張ってかっこよく見せて…
…カイリはわかっていない様子でしたけど…』
ノラが小さく『疎いです』なんていうから、俺はつい鼻で笑った
「そうか…」
カイリはきっとソラが好きだ
その視線はあの日から変わらずずっとソラをみまもり続けている
俺にはわかる…その視線は友人として見つめているものじゃなく【恋】としてカイリはソラを見つめていることを
ソラもカイリのことになるとついムキになって俺に突っかかってきて対抗してきて、あいつもカイリへの想いを隠しているんだろうけどどうみてもバレバレだ…ソラもカイリを恋としてみている
俺は最初から負け戦、失恋しているんだ
でも俺はいつでもソラの上に立ちたくて、カイリがもしかしたら俺に好意を持ってくれるかもしれないという期待をもって今までずっとソラと対抗してからかい続けた
『カイリの所に行ってください
油断しているとライバルにとられますよ?』
大人げないと思うだろ?
…だが俺はまだ子供だった
まだプライドなんか捨てられずにいる弱い心の持ち主だった
「いや、いい。俺はここで丸太をつくる」
ソラは俺に勝てない、必ずカイリを振り向かせられる…そう強く見せた弱い心が俺に仮面を被せ意地張って俺は丸太を見定め続けた
キノコを探しながら彼女が『何故です?』と手を止めこちらに視線を寄越して首を少し傾げる
「俺がソラやカイリの所にいったらノラ、お前が一人になるだろ?」
(俺を一人にしないでほしい)
『それこそ気を遣わなくても結構ですよ』
突き放す彼女の声にとても苦しくて、距離が遠いのがとても悲しかった
…鈍感なのはノラ、お前だよ
「つかってないさ、友達なんだから」
(そばにいてほしい)
気づいてほしい