第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
何の嫉妬?
ノラに俺の大事な友人をとられたっていうことか?
それともノラとあまり接触のないソラがわかったような口でノラの心を理解したといったことか?
たぶんどちらも、だ
二人に嫉妬しているんだ
横にいるカイリに俺は「またソラは勝手に」とため息をつき「帰るか?」なんて視線を向ける
そのときのカイリの顔がとても寂しそうな笑顔をしていた
あ、俺と同じだ…
カイリも少なからず俺と同じ感情をあの二人に向けているのだろう…とても泣きそうで俺は彼女の名前を呼んだ
「ん?何かいった?」
「…いや、ソラああなったし…帰るか?」
「そうだね…うん、リク、帰ろう!」
ソラ、お前はこのときのカイリの顔…すごく見てられないほど心と矛盾するカイリのひきつった笑顔を知らないだろう
俺はあの時からカイリの笑顔を守ろうとそしてその想いはいつしか好意に変わっていった
なぜカイリを好きになったか、それは一つの心の感情の共有と共感から始まった恋心…
似た者同士だったから、お互いに寂しさを補える…そう思った
『カイリが向こう側の森に行ったのになんで一緒にいかないのですか?』
あの島でイカダ作りにノラと森へ探索していたところ彼女の言葉につい「え?」と声が漏れた
『ソラに邪魔されますよ』
「…あー、そういうことか」
『そういうことです』と視線と手はキノコをつかみながらノラは一人頷いていた
カイリにむける俺の感情がわかっていたのかノラは俺がノラと同じ探索場所を指示したことに疑問を抱いている様子だった
そういう恋だの愛だの彼女は興味なさそうなイメージを持っていたが、やはり女だからか気にするようだ
「(…自分の感情はあまり表にださないのに、相手の感情は繊細ながら読み取るんだな)」
…だったらあの日に読み取ってほしかったぜ
俺は苦笑した