第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
あいつはいつも一人でぼーっと空をみていた
カイリと同じで外の世界からきた女の子、転校生として学校にきたのは小学4年の頃だ
俺たちの学校はもともと生徒が少ないせいか全ての学年が一教室に集まり、授業になれば机を移動させて学年ごとの授業をうける形になっている
俺はソラとカイリより一つ上だから一人別の授業をうけることになるが、あいつが転校生してきて俺と同じ年齢だったから一緒に授業をうけることになった
必然的に隣になり授業をうける
当時の俺はソラとは違い他人との壁を作っていたから隣のノラに挨拶の言葉も歓迎の言葉も与えることができなかったんだ
でも…どこかノラをみて"こいつとなら友達になれそう"だなんて上から目線で思っていて、近々ソラとカイリに言って島へあいつを連れていってやろう…そう思っていた
授業をうけて思った…あいつ頭がいい
まだ習っていないことも難問もすぐに解いて、先生に誉められている
でも彼女は当たり前のような顔をして直ぐに紙を引き出しにしまい…そして再び快晴な空を見上げる
正直、むかっときた…
今まで俺がこの学校一成績がよかったからあいつが来て奪われた…そんな気分だった
やっぱり島に連れていくのはやめよう、そう心に思った瞬間だった…
「なんでいつも一人なの?」
ソラが空気を読まずにノラに問いかけるものだから慌ててカイリと俺で引っ剥がした
ノラはすげー驚いていて…それでいて困っていて
…俺はそんな彼女の一部を見て、視線が、離れられなかった…
「あいつもあんな顔するんだな」
帰り道にソラとカイリ言えば、カイリは「それ!思った」って急にテンションが上がっていたがソラは「そうか?」と両手を後頭部に当てて首をかしげた
「ノラはよく笑うよ!」
「「え?」」
「それに少し寂しそうな顔するんだ」
ソラの言葉に俺とカイリはお互い顔を見合せた
「俺、ノラを島に案内したい!」
いまから声かけてくる、そうソラはノラの元へ駆けていった
その時から俺は嫉妬していた