第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
私は白い扉に向かって走りながらリクの言葉を聞いた
『リクに語りかけた何者かが【外側と内側からお互いに鍵を掛け合わなくてはいけない】と言ったのですね?』
「ああ!キングダムハーツを止めるにはな!それに鍵だけじゃなく心もお互いになくちゃならいってことも!」
『…それだったら』
私は足をとめて少し先へ歩いたリクへと視線を向けた
『私が残ればいいです』
私の言葉にリクは足をとめて私へと視線を向けた
その目は大きく目を見開いていて次第に顔が険しくなる
「何をいってんだノラ」
『リクは扉の向こう側に逃げてください!
…鍵と心なら私一人で足りています』
ほら…、そう私が手を伸ばすと掌に禍々しい形のしたキーブレードが現れた
リクはそのキーブレードと私の顔を見合せて…そして鬼の形相でこちらへ向かってきては…
____私のキーブレードを掴みおもいっきり地面に投げつけた
リクの行動に私は驚いてその様子をみていて、リクは恨みがあるかのようにキーブレードを睨み付けた
そしてリクが振り返った…怒りの矛先を向けられる、そう思って私は歯を食い縛った
「ノラ、俺は一度過ちを犯した…
…皆を守る為に力を手に入れたかったんだ
でも俺は闇の力に頼って…簡単に力を手にいれる方法に手をだしてしまった…
俺の心が弱かったから、俺が力を過信し過ぎてしまったから…
アンセムに体を乗っ取られて、そして…みんなを…大切な友達を傷つけてしまったんだ」
ゆっくりとリクが言葉を紡ぐ
泣きそうで苦しそうで寂しそうな彼の顔
でも真っ直ぐに光を失っていない美しい翡翠の瞳が私の心を貫く
「もう同じ過ちを繰り返したくはない
俺はもう弱い心から逃げない
だから…ノラ
俺はお前を置いて一人助かるなんてそんな悪者になるつもりはないし
…お前を一人にするつもりもない」
リクは私の手をとって扉へと引っ張り走り出す
「それに…お前は"寂しがり屋"だからな」