第2章 青い運命の島 前編
「ノラ?」
リクが私の顔を覗き込んでいた
私ははっと我にかえればリクの両手にあった丸太は地に降ろされていて私の返事がないから心配でこちらへと様子を見にきたのだろう
私はすかざず顔をあげ笑顔をみせ『ぼーっとしていました』と答えれば納得いかないような顔で「そうか」とリクは再び丸太を担ぎ上げた
「行くぞ。どうせソラはどこかでサボるだろうな」
『はは…ソラらしいです』
そしてそんなソラの行動を予想できるほどソラのことを想っているリクに羨ましく感じた
浜辺に着き丸太を砂の上にドスンと降ろした
日差しが眩しい…
息苦しく感じる日差しにリクは私の肩に手を乗せた
「ノラは日陰で休んでいろ。俺はソラとカイリを探してくる」
『お願いします』
「無理はするなよ」
そういってリクはカイリやソラが向かった森の方へと駆け出した
『…やっといきましたか。やれやれ』
一人になり私は日陰へ移動した
どうも私は日差しに弱いらしく夜になる頃には凄く身体が疲れている
そのお陰が夜はぐっすり安眠できるのだがこうも日中に身体が重くなるのは何か病気なのだろうか?
いつか病院で身体をみてもらおうと思っていても薬品の匂いを思い出せば近づくのも恐ろしく感じて、いつも先伸ばしをしてしまう
『ソラ達にばれると厄介だから、今度こっそり病院にいこうかな』
そう一人海の水平線を眺めながら決意していると遠くから笑い声が聞こえた
「あはは!」
「負けないぞ!」
「遅いぞーソラ!」
三人が仲良く海辺近くでかけっこをしていた
その姿をみて再び心に痛みが走るもどこか心地よく感じて私は膝を抱えて頭を埋めたのだった