第2章 青い運命の島 前編
材料も整い、日も暮れてきたので明日にしようとカイリが提案してきた
水平線をみればオレンジ色に染まりこれから夜を知らせるような悲しさが伝わった
ソラが「あの木に行こう」と夕日の沈む姿を見届ける為に走って行くとカイリも「待ってソラ」と後を追うように駆けていった
リクも仕方なさそうに駆けていったが数歩歩いたところで私が来ないことに気付き足を止め振り返った
「行かないのか?」
リクは不思議そうに私に視線をむけた
私はうん、と首をゆっくり縦に振ると呆れたようにリクはため息をついた
「ソラやカイリが心配する、行くぞ」
そうリクは私に近づいて私の手を掴むと歩き始める
私はリクに反抗してその場に足を止めて首を横に振った
『ごめん、行けない』
「…どうしてだ?」
『どうしてもあそこには行けない…ごめんなさい』
私が頑なに拒むと意思が伝わったのかリクはゆっくりと私を掴んでいた手を離した
視線は私に向けたままリクは言葉を続けた
「ノラ、お前は何を恐れているんだ?」
『…リクにはわかりませんよ』
「俺には?じゃあソラとカイリはわかることなのか?」
『ううん…わからない誰にも…、
___この世界では誰にも私のことはわからない……』
「……ノラ?」
『…………え?』
いま私は何を言ったのだろうか……?
無意識にでた私の言葉に戸惑って『なんでもない』と言葉を残した私はその場から離れて船乗り場まで駆けた
船にのり手にオールを持って再び我にかえる
後ろを振り向けば誰も居なかった……