第23章 エンド・オブ・ザ・ワールド
…真っ暗な世界
道という道がない暗闇を私はリクを探しもとめてただただ走っていた
私の瞳は開いているのだろうか?
私は走れているのだろうか?
不安になる気持ちは私を何故か高揚させる
『リク!リク!!どこですか?…リクっ!!』
ひとつも光のない世界に少しずつだが私の体が重くなっている気がする…
…いや、足をとめてはダメです!リクを、探さないとっ!
重いからだを無理にでも叩きつけ私は走り出した
目が慣れたのか、道がみえる…
道がある…そして奥に白い大きな扉が見える!
そしてその扉にむかって歩いている見知れた一人の少年の後ろ姿…
『…リクゥッッッ!!!』
こんなに大きな声を出したのは初めてかもしれない…泣きそうに叫び声をあげた私にリクはハッとこちらを向いた
「っ!ノラッッ!!」
リクは私を見つけては私と同じように声を張り、勢いよくこちらへ走り出した
お互いの距離が近づき手を伸ばして、そして…お互いに抱きしめあった
お互いの温もり、お互いの息づかい、お互いの心が触れあって抱き締める力が強くなる
『…よかった…本当にリクが無事でよかったですっ!』
「すまない、俺の心が弱かったせいで…みんなに心配をかけた」
私は肩を押し、リクの顔をまじまじとみれてやっとリクと会えた…そんな気がしてクスリと笑った
そんな私をリクは首を傾げて「なんだ?俺の顔に何かついているか?」と聞いてきたが私は首を横に振り真っ直ぐにリクをみた
『ちゃんと…リクだ』
「…ああ」
リクも私の言った言葉に理解したのか眉をハの字にして笑った
お互いに微笑みあっているのも束の間、背後からうじゃうじゃと闇の力を感じて振り向けばハートレスの軍勢が涌き出ている
『リク!ここは危険です!あの扉からでましょう!』
「ダメだノラ
…俺はあの扉を内側から閉めきゃならないんだ」