第20章 消された思い出
何故、こうなったのだろう…
何故私は消えかけているのだろう…
クイーンが消えて、ルークが消えて…王を守るために私は裏切り者の前に立ち塞がった
私より弱い筈の奴が…何故だこれ程の強い闇の力を扱えるんだ…
…なぁ、【ナイト】
何故だ、何故を王を奪おうとする…何故だ何故だ!!
闇の使いとして加入したあの日から時が過ぎたのか彼の姿は成長をし身長も伸び骨格が成人男性として整形されていた
「俺は元から主の闇の力を全てを手にいれるために近づいた…
知ってるか?主は元から光の世界を滅ぼそうなど考えてはいない
闇の王と名乗る光の操り人形さ…
…だから俺は力をつけてこの日を待ち望んでいた、王の座を奪い世界もろとも破滅に導き新しい世界を再生させることを!!」
ナイトが黒い巨大なキーブレードを私へと向ける…水色の眼球がギョロギョロと私を観察するように見つめた
「安心しろ…お前たちは心を解放され本来のあるべき姿に戻るだけだ
主は元々お前たちを消すつもりだった、知ってたか?」
「っ戯れ言を!!」
「嘘じゃない、真実さ!
王の本来の目的は闇と光の均衡を保つこと…それが目的で光の進行を企てるお前たちのせいで王は再び目覚めた!
裏切り者は俺じゃない…
…本当の裏切り者は王と呼ぶ主なのだ!」
「っナイト…いや、【ゼアノート】ッッッ!!!」
妖しい笑みを浮かべた彼の顔を私は一生忘れることはないだろう…
キーブレードの刃先から私の心に向けて光を貫通させた
私は消えたのだ…
「あるじ?」
目の前で溢れ解放される心の闇
走馬灯のように僅かながら思い出した前の私の記憶
目の前の闇の王と呼ばれた少女にキーブレードを突き刺したまま私は彼女の頬へと手を伸ばして
ゆっくりと唇を重ねた
唇を離して王の背中に手を伸ばし掻き抱き、そして高笑う
【「やっと…手にいれた、我が主ッ!!」】