第20章 消された思い出
…最近、主とポーンの接近が多い
というよりポーンが王を城から連れ出し回っていると聞く
気に入らない、私より弱く、私より長く生きていない闇の民に王が振り回されるなどっ
王とポーン、ルークは見た目が20代前後でお互い近寄りやすい傾向にある
とくに王とルークの関係は主従の関係はなくまるで姉弟のように砕けた関係に近い
王が下した命を気分で乗るのらないを勝手に決め怠惰する姿勢にいつも私は苛立ちを覚えてよく注意をする
しかし私が小言を言ったところで彼の性格がかわることはなく今日という今日も仕事をサボり自室にこもっていると聞く
王もルークに甘いようでついルークのサボりに乗ってしまうことも多々あり私は頭を抱えていた
「いや、ルークのことはもはや考えても無駄だ…やはりポーンが気に食わない」
改めて言うが…ポーンは私やクイーンが外回りや偵察で外出時に王をよくつれ回る
前は海、その前は光の世界で知った誓いを宿る伝説の実を食べさせようとしたりと小細工を仕掛けては王を困らせる
ポーンの瞳は常に王を見つめる…奴の瞳は【恋】の瞳だ
「…ふん、恋など一瞬。時がくればいずれ朽ち果て消える儚い感情よ」
ポーンは、恋
私は、愛
元は心の強さの違い…敵ではない
そう敵ではない、筈なのだ…
だが、
…王の瞳は何故ポーンへ向く?
その瞳にポーンをうつすなど穢れる、その耳にポーンの声を聞くなど穢れる
主、貴方の全ては私のものだ…
「主、少し宜しいです?」
…私は王の頬へと手を添えるのであった