第19章 ホロウバスティオン 中編
エアリスやレオン、ユフィはソラなら許してくれるって言っていたけど…そんなことはなかった
ソラだって人だもの…聖人君子なわけじゃないし、1つ2つは何かに恨むことだってあるはずだ
それが今回私だっただけ
私は無理に笑顔をつくって『やはりそうですよね』と再度謝罪した
何度謝罪したところで意味なんてない…すべて自負の気持ちを正常に保つために何度も呟く
ごめんなさい…ごめんなさい、ソラ…
俯く私にソラはため息をはいて私の肩に手をぽんと置いた
「ノラが俺に"敬語をやめたら"許す!」
『…へ?』
「だってぇーノラ…俺やリク、カイリに対してずっと敬語でよそよそしくてさ!
俺達友達なんだから敬語の壁を取り除いていいんじゃないか?」
『………怒ってないんですか?』
私の顔は今すごく呆けているだろう…ソラは私の顔に笑いながら「アグラバーでのこと?」と首を傾げる
「あれはノラは悪くない、ノラは俺達を傷つけるような奴じゃない…俺知ってるから!」
ソラは先程私にしたように私の頭をくしゃくしゃに撫でた
私はソラの答えに泣きそうになりつつも笑顔を彼に向け、そして抗うようにソラの頬を両手で引っ張った
「いひゃいひょ~」
『ふふ…ソラのくせに…私を知りすぎ』
「へへへ~」
まるで自分のことを自慢して嬉しがるようにソラは笑った
頬をはなし私は優しくソラの頬を撫でた
『ありがとうソラ…やっぱり君は最高の友達だ』
あたりまえだろ?そうソラは拳を私の前に持ってくる
私も拳をソラの拳の前にあわせてお互いに軽く叩きあった
「さあ行こう!カイリを助けに!」
『そしてリクを説得に!』
三人は再び駆け出した