第19章 ホロウバスティオン 中編
たーんと地面に落ちお尻から着地…私は叫ばずにはいられなかった
腕の中にいるハートレスの安否を確認して怪我がないようすで私は安心する
と、同時に表情を歪ませた
『貴方は…なんて無茶をするんですか!!』
叱られたハートレスは頭を垂れていかにもショボくれていた
『貴方が消えたら…悲しむのは私なんですよ
お願いですから無茶をしないでください』
耳なのか触角なのか、そちらも頭を垂れたと同じくさがった…
私はハートレスの顔を両手で掴み持ち上げて視線をあわせた
『…助けてくれて、ありがとうございました』
そう抱き締めればハートレスは予想外のことで体を固めたが、感謝されたことがとても嬉しかったのか飛び跳ねていた
【君ヲ助ケタ、君ヲ守ッタ!】
『ふふ…はいはい、無理だとおもったらすぐに私の影に隠れるのですよ?』
【ワカッタ】
ハートレスはそういうと嬉しそうにそのまま私の影の中へと入っていった
気分屋だな、そう足元をみて再び私は前を向いた
『ここは…初めての世界』
辺りを見渡すと立派な建物なんだろう、周りには複雑な仕掛けが見える
どうしようかと顎にてを当てて考えていれば丁度目の前で仕掛けの扉が開いた
『うわっ!』
「うわぁ…ってノラ!!」
『ソラ!よかった、無事ですね!』
ソラは相変わらず元気な姿で私に声をかける
しかし私は海賊船の時と同じように再びソラに聞いた
『ドナルドとグーフィーはどうしたのです?』
「…それは」
「ベルっ!!」
ソラの後ろから四つ足でこちらへ駆けてくる獣に私は肩を大きく揺らした
『うわっ!!』
「ここにもいない…」
『ど、どちら様ですか?』
「ノラ驚きすぎ!この人はビースト、プリンセスの一人ベルってお姫様をリクが拐って…」
『リクはやはりプリンセスの回収を続けてしまったのですね…』
あのとき13機関につれて行かれなければ、別の方法でカイリの心を探そうと話し合えたのに…
「それと…俺、キーブレードをリクにとられちゃったんだ…」
『…え?』