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【KH】境界線【王国心】

第18章 闇の回廊






引っ張られる力に抗う私を無視して歩き続けるフードの男





『っ!離してくださいっ!』



「…」



『貴方、ゼムナスですよね…こんなことしてなんの真似ですか!』




力強く振り切れば手を離したフードの男…手をフードにかけて捲れば機関No.1のゼムナスだった




「先も言ったが?」


『見届けるなんて…そんなことできません!

友人同士が戦うなんてこと見過ごすわけには!』


「私が危惧しているのはそちらでは、ない」




ガッと私の首を掴むゼムナス

強い力で固定するゼムナスの腕を両手で掴み抗うが一向に離れる様子がない

力の差も歴然でそのまま首を潰してしまいそうな勢いだ




黄金の瞳がお互いに見つめ合う




「王よ、お前には記憶がない

…故に過去お前は闇の王として国の上に立ち支配していた」




ゼムナスの話は以前のマレフィセントが話していた内容と同じ

ここまで話の内容が合うとは自分の生い立ちが本当に闇の王なのか疑いかかるほどに


しかし、話を続けたゼムナスの言葉はマレフィセントから聞いていた内容ではなかった




「闇の王を慕う一人の家来の名も姿も覚えていない、か」



『!?』




「…いや…それだけではないな。


別の心もあるはずだ…奴はハートレス、我とは存在の価値が違う」



『っ意味が…』



「思い出す必要はない。だが、王としての記憶は思い出せ…それは【使命】」



近づくお互いの顔に私は睨みを効かせると私の影から跳びはねてはゼムナスに鋭い爪をたてて攻撃した



後退りしたゼムナス、私の目の前にはあの小さなハートレスが私を守るように立っていた




『ハートレス!』



「っく愚かな雑魚め…所詮は王の飼い猫…お前が我に勝つことなどない!」




ゼムナスは手のひらから光線の剣をだしハートレスに襲いかかろうと足を蹴った



このままじゃ消されてしまう!



私はハートレスを抱いて出口を探した、すると私の足元の影が大きく広がり水に沈むように落ちてしまった













すぐに水溜まりは消え、王が回廊にいる気配をけした



「逃げたか」



辺りもハートレスで増殖し、このまま回廊に居続けるのも危険

王の向かう先はホロウバスティオンだろう



「結末は決まっている」
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