第17章 破れたページ7
○月×日
ポーンが私に海を見に行こうと誘った
キングは光の世界を偵察にいっており、クイーンは家事をしている
ルークに至っては闇の世界の見回りの日だから今日も自室でサボっているだろう
ビジョップは先ほど箒をもっていたため掃除をしているのだろう
ポーンは私の手を掴み城から抜け出そうという
私は見た目幼くみえるがこれでも長く生きている…ポーンの気持ちもわかるが王としての立場からこの城を離れるわけにはいかない
私は否定したがポーン曰く今日は流れ星が流れるという
闇の世界に流れ星?…ああ成る程
光の世界からたまに闇落ちした人が空から落ちてくることがある
私はそれを侵入者というがポーンはその光を流れ星と思っているのだろう…端からみればなんと愚か
それより流れ星という言葉をどこで知ったのかポーンに聞けば光の世界にいるナイトから教えてもらったみたいだ
光の世界の空と闇の世界の空は似ていて違うものの同じ空間だ
私と見たいというポーンは無理矢理私を闇の海岸へと連れだして砂浜から手を繋ぎながら遠くの空を見つめた
遠くの空で流れ星のような一筋の光が現れる
その時ポーンが私の手を握りながら言ってくれた言葉が今でも忘れられない…
私は少し恥ずかしくって顔をそらしたけれどルークはそれを知っていて誇らしげに流れ星をみつめていた
手の温もりは温かかった