第16章 ネバーランド 前編
隣の一室でリクとあのフックのつけた男が話している
どうやらソラ達の他におんなのこを誘拐したらしいがその子は7人のプリンセスではないという話
「マレフィセントはプリンセスを集めて何を企んでいる!?」
「さぁな…俺はカイリの心を取り戻す方法さえ見つかればそれでいい」
フックの男に背を向けるリク
男は鼻を鳴らして悪態をつく
「ふん、ご苦労様なこった!あの娘はハートレスに心を喰われちまったんだ
…心を取り戻すなんて無理だろうな」
「カイリの心は喰われたりしていない!」
圧のある低いリクの声にフックの男は黙ったまま目を細めた
そのあと部下からパイプ伝いで"ソラ達が脱走した"との連絡が届く
『(ソラ達、無事に脱出できたんですね!)』
きっとそのままソラはドナルドとグーフィーと共にカイリを迎えにいくはず…
私は急いでその場から離れて一度リクに連れてこられた一室へと戻った
部屋の外で足音がする…遠ざかったところを聞くとリクはカイリを連れ戻しに向かっている
私も部屋をもう一度でてソラが動きやすいように回復アイテムを落としたり、閉まっている内側の扉の鍵をあけたり、梯子を落としたりした
もうすぐリクが戻ってくる…私のてだすけはこれまでですね
急いで居るべき部屋へと駆けてソファーへと座り時をまつ
ガチャリと扉が開く音が聞こえリクだと思って振り替える
しかしそこに立っていたのは…黒いフードだった
『13機関!?』
「舞台はそろった…闇の王は我らと共に見届けてもらおう」
近づいた13機関は私の腕を掴み闇の柱を出現させてその中へと私を連れ込もうとする
抵抗していると再び部屋の扉が開かれ、そこにはカイリを抱き抱えるリクがたっていた
『っ!リク!』
「ノラ!」
両手が塞がれているリクは何もできることがなく、私は13機関に引きずられ闇の柱の中へと入っていった
「っくそ!ノラ!」
リクは急いでカイリを一度ソファーに寝かしたが、遅かった
闇の回廊を出現させた黒いフード…一体何者なんだ
「…仕方ない、いまはここを離れよう」