第16章 ネバーランド 前編
『でもリク、カイリの心を取り戻すのに7人のプリンセスを集めるなんて…そんなことで取り戻してもカイリは悲しみますよ!』
「…だったら、他に方法があるのか?」
リクの言葉に私は言葉を詰まらせていれば「ほらな」と呆れたように吐いた
「わかっている、マレフィセントの目的に俺は助力している…だが、これしか方法がない
…カイリの心を救う方法が」
『…リク』
「心配するな…カイリのことは俺に任せろ」
そう私の頭を撫でて心配を解くリクは島にいた頃のリクと変わらない…
リクは変わってないんだ…
『リク、ごめんなさい』
私が謝るとリクはきょとんと目を点にしてこちらをみた
どうしたと伺うリクの顔は本当にいつものリクで少し私の目頭を熱くする
『リクは変わってない…私、怖かったんです
闇の力を手に入れて、時々とても冷たい目で私やソラを見つめる表情が…怖くて、リクが変わってしまったんだと勘違いしていました
…リクは何もかわっていない…ずっと私達のことを思って捜してくれたんですね』
私の言葉にリクはただ無言で身心に聞いていた
『…ありがとうございます、リク。
…やっぱりリクは強いなぁ…』
「…っノラ」
リクが私を強く抱き締めた
何故か私も溜まっていた涙を流していて、それでも笑顔だった
リクも泣きそうで…私はぎゅっと優しく抱き返した
「俺は…ずっと一人で…知らない場所で何もできなくて…
何もできないもどかしさにマレフィセントから闇の力をもらってしまった…
俺はただソラとカイリとノラと一緒に外の世界をみたいだけなんだっ!」
俺は変わってしまったよ…そう弱気なリクに私は首を横に降った
『一緒に外の世界を見に行きましょう?
リクの見てきた世界の話…私も聞きたいです』
「ああ!ノラに話したいことが沢山あるんだ!
でもその前にカイリの心を見つけないと…」
『他に方法をみつけましょう!
話し合えばきっと解決策は見つかります!
私とリクと…ソラの三人で力を合わせて!』
ぐいっ…
リクと私の間に隙間ができる…リクが私の肩を掴み離したのだ
その瞳は光を失っていた