第14章 ホロウバスティオン 前編
抱き締めていた感覚も消えて、真っ暗な闇に私は身を任せた
私は…このまま消えてしまうのでしょうか?
もう、いいですよね…リクもソラも今はケンカしているけどきっと二人は元の仲がいい関係に戻れる
私が導かなくても二人は元に戻ってカイリを助けてくれる
そして元の三人にもどれるんです
私が友達になる前の仲のいい三人に…
ふふ…そう考えれば私の居た意味、本当にないですね…
でも、楽しかったな…
もう四人で遊ぶこともなくなるんですね…
寂しい…けどやっぱり、三人には幸せになってほしい気持ちが強い
ふふ…どっちがカイリの心のを掴みとれるかな?
私の予想は…いや、もう関係ないか…
私も恋、してみたかったなぁ…狡いなぁ三人とも
【諦めるのか?】
だれ?
【そのまま闇に身を任せるのか?】
闇と溶け合うのも悪くないですよ…
【お前らしくないぞ…ノラ】
私らしく?…貴方はだれなんですか?
【お前の本来の目的を思い出せ】
だから…誰なんですか貴方は!
【俺はここだ】
振り返った先には知らない男の人がいた
茶髪に空のような青い瞳…
身長はリクよりも大きく大人の人に近い年齢だった
『貴方が私に話しかけていた人ですか?』
【俺がわかるか?ノラ】
『…どうやら私は記憶が消えているみたいです』
【俺が消したからな】
男の発言に私は目を見開いた
『貴方が私の記憶を?何故なんです?!』
【落ち着け…最初に提案したのはお前だ。俺は拒んだがお前の願いに従った】
『私が…記憶を消してと貴方に頼んだのですか?…何故それに従ったのですか?』
【…それは、お前を____】
『…え?』
【くそ時間がない、戻れ…ノラ】
…まって!