第15章 破れたページ 6
○月×日 体調:変わらず
クイーンは私以外に対してとても高慢だが彼女ほど教え上手はいないだろう
今日、彼女がナイトに闇の力をコントロールする方法を教えていた
光の世界からきたナイトは黒いフードを被りながら自身の心の闇を僅かにあやつり目の前のハートレスを相手にしていた
闇の使いなら最低限でもハートレスを率いる力を持たなくては意味がないとクイーンはいう
目の前のハートレスを指定された場所に指示する、これが今回のナイトの稽古
思っている以上に苦しいのかナイトが膝をつくが、クイーンは新たな闇の力をナイトに与えるようなことはしない
クイーン曰く『闇の力をコントロールするには自我を強く保ち、相手を支配し取り込む程の強い心がなければ逆に取り込まれる』と力を貸すことなくただ見守っていた
私はこのままだとナイトが闇に取り込まれる、といえばそれきりの男だと鼻で嗤っていた
自分の力で成さなければ意味がない、クイーンの教え方に私は納得してナイトをみていた
無事ナイトは試練を達成してハートレスを操れるほどの闇の力を手入れた
クイーンをみれば表情にはあらわれていないが蛭をかえしたとき嬉しそうにうっすらと笑みを浮かべていたことはわすれられない…