第13章 トラヴァースタウン
「この子…確かに他のハートレスとは、違う」
「それは本当か?エアリス」
「うん、この子、凄く彼女のこと、大好きみたい」
「ハートレスが?人に好意だと?」
心の闇が具現化した存在のハートレスが?レオンは疑問に思いながらもエアリスの言葉に嘘はないと信頼している
ユフィも「エアリスがいうなら」と理解して武器を収めた
「珍しいハートレス、だね」
『ソラと同じように別の世界飛ばされる前にこの子が私にずっと話しかけてくれて…でも本当に不思議なんです。
私、島にいる前の記憶がなくて…でもこの子は私を家族だと、故郷のことを教えてくれたんです』
「ハートレスが、家族だと?」
レオンとユフィがお互い顔を見合せ眉間にシワを寄せる
それでもエアリスはうんうんと相槌を踏まえて私の話を親身にきいてくれた
『それに私…13機関とかいう人に狙われていまして…
ソラも勝手だしリクも私を見捨てたし、カイリも見つかってなくて…』
「そっか…寂しいね」
『…寂しい。はい、とても寂しい、です…』
やっと会えた友人の変わった姿に、私は『外の世界にでなければよかった』と後悔した
みんなの心がバラバラになる…私はやっぱり三人の友達なんかじゃないのかな?
「もしかしたら皆、いっぱいいっぱい、かもね」
『…え?』
エアリスがうーんと顎に手を当てて悩む姿で私に問う
「ソラやリクは、大変な問題に、直面しちゃって、周りがみえてないのかも、しれないね」
『エアリス…』
「いきなり外の世界だもん、戸惑うのは、当たり前
悩みを話したり、相談することも、できてないから、すれ違いが、起きちゃっている…かも?」
エアリスの言うとおりかもしれない…
アグラバーでソラと出会った、でもキーブレードを持ったことで勇者として世界を守るために身動きができなくてカイリを探すのが遅れているのかもしれない…
リクだって私と出会ったときは普通だった、でも私のキーブレードを見て豹変したってことはキーブレードに関して何か悩みをもっていたのかもしれない…
友達なのに、私達はそれぞれ自分のことばかり…
私もその一人だ
変わるのは私…そして三人を導くのも私がやらなくちゃ!