第2章 青い運命の島 前編
森に少しはいってノラは恐る恐るリクの顔を伺った
そんなノラの視線に気づいたリクは先頭に立っていた足を止めノラに振り返る
「なんだ?」
『…いえなんでも』
「なんでもっていう割には視線を感じるが。俺に何か言いたいことあるんだろ?」
『……まぁ、ないわけではないです…』
「わかった、ノラが何をいっても俺は受け止める。…それでなんだ?」
リクはなにがなんでもノラの思っていることが聞きたいらしく先を進もうとするノラの前を防いだ
右にいっては塞がれ、左にいっては塞がれ…
諦めたノラは『変なこといいますね』と一言告げた
『カイリが向こう側の森に言ったのになんで一緒に行かないのですか?』
「…え?」
『ソラに邪魔されますよ』
「…あー、そういうことか」
『そういうことです』
リクはノラが何を言おうとしているのか納得し、苦笑した
「確かに俺はカイリのことが好きだが、ノラが気を遣わなくてもいいだろ。ってかバレてたんだな…」
『わかりますよ、ソラもリクもわかりやすいです。本人の前だと意地張ってかっこよく見せて…カイリはわかってない様子ですけど…』
「そうか…」
『カイリの所へ行ってください。油断してるとライバルにとられますよ?』
「…いや、いい。俺はここで丸太をつくる」
そういってリクは側にあった木を触りイカダとして最適か見定めていた
ノラはキノコをさがしながらリクの言葉に納得がいかず『何故です?』と疑問をぶつけた
「俺がソラやカイリの所にいったらノラ、お前が一人になるだろ?」
『それこそ気を遣わなくても結構ですよ』
「つかってないさ。友達なんだからな」
『……』
ノラは黙りこむと顔を俯かせた
急に黙ったノラに疑問を思ったリクはノラに近づき顔を覗けば真っ赤に染まったノラの顔をみて思わず笑った
『見ないでください』と照れるノラにリクは満足気にノラの頭をポンポンと撫でた
「ノラって変なところで照れるよな」
『もうあっち行ってください』
「イカダにとっておきの木はここだって教えてくれたのはノラだろ?」
『……仰る通りです』