第10章 アグラバー 後編
「一緒に謝ろう」
『…はい。ありがとうございます、ソラ』
心を汲み取ってくれたソラに感謝の気持ちを覚え、私はふと疑問に思ったことを聞いた
『それでリクとカイリは何処にいるのですか?』
「えーっと…それは…」
ソラがもごもごと言いづらそうに頭を掻いている
その代わりにグーフィーが代弁した
「リクは前にいた世界で姿がきえちゃって…カイリはまだ見つかってないんだ」
「そうなんだ…ごめんノラ」
『そう、ですか…』
リクとソラは男の子だし強いけれど…カイリが一人でいるのは心配だ
はやくカイリを探したいところだけど世界を動いているソラはどうやらカイリ探しだけではないらしい
「光の世界にいるプリンセス達を敵から守らないといけないんだ!」
「ソラはキーブレードに選ばれた勇者だからね!」
へへん!とソラは鼻を掻いて自慢気に見栄をはる
私はその言葉に違和感を覚えた
『…カイリ探しはどうするの?』
「勿論探しているよ!でも世界には困っている人が沢山いるんだ、放っては置けない!」
『カイリより…他の人を優先するの?』
「それは…」
一歩一歩とソラから距離を離していく私にソラはそっと私に手を伸ばした
『ソラの友達は私達じゃないの?』
グーフィーとドナルドを見てそしてソラに再度視線をむける
「ノラ何を言っているんだ?俺たち友達だろ?」
込み上げる苦しく熱い感情…これは何度と感じた【嫉妬】というものだ
私はこの醜い感情を押さえるように手で顔を覆った
仮面だ…仮面を被れノラ
今そんな感情を抱いてソラに迷惑をかけるわけにはいかない…
カイリは…カイリだけでも私が探さなくては…
_____【私はソラとカイリを繋ぐ星になって導くよ】
光が差すように思い出した記憶…
そうだ、私は一体何を考えているんだ
私は約束した、ソラとあの岩壁の前で!
『…私は、私のやるべきことを遂行するだけ』
「え?」
ソラが私に近づくと同時に私の体から闇の化身があらわれた