第10章 アグラバー 後編
「ジャスミン姫…貴方にはもっとふさわしい場所を用意しております
…そしてもっとふさわしい人間も__」
先程見つけた場所を再び調べ、手掛かりが見つからないまま逃げた先を探しにいこうとすれば高いところからジャファーの声が聞こえた
どうやらジャスミン姫を見つけたようだ…
挟み撃ちのため彼女に逃げ道を塞ぎに先回る私
少年の声がジャスミンを逃がすがジャスミンは私の姿をみるやいなや足を止めて「ソラ!ジャファーの手下だわ!」と私を警戒した
「何!?…え?」
『…っ!ソラ!?』
ジャスミンの問いかけ先にソラの名前がでて一瞬もしやと思って顔を覗けば
そこには鍵の剣をもった島の友人、ソラの姿がそこにあった…
やっと見つけた1人目の友人に私は感動を覚えていると頭上からジャファーの声が私を現実に戻す
「娘!ジャスミンを捕らえろ」
『…で、でもっ』
「リクがどうなってもいいのか?」
『っ!』
「…なんだって!?」
ジャファーの言葉にソラが驚きを隠せずにいたが私は手を強く握り…そしてソラへ一言謝ると右手に例の禍々しい鍵の剣の先をソラへと向けた
ソラは私のキーブレードに驚くと同時に悲痛な顔で「やめろノラ!」と両手を広げた
ソラを攻撃したくない…っ!
でも…
リクがっ危ない…攻撃しなきゃ…
…いや何をして…ソラも大切な友達じゃないか!
なんで…ソラを傷つけようとしているの?
あー…あぁ…
ああああああああっ!!
カランカランと地にキーブレードを落とし頭を抱えるノラ
ノラの名前を呼び駆け寄るソラ…その隙にジャファーにジャスミンを連れていかれて
私はなんてことを…
「ノラ!!」
名前を呼ばれてはっと意識を戻し視線先を下から上へと向ける
そこには心配そうに私を見つめる青い瞳
片膝をついた私の視線を合わせるようにソラも視線を同じくしていた
『…ソラ、私は…』
「いいんだ!ノラは悪くない!あのジャファーっていう人に操られていたんだ」
握られる手はとても暖かくて、罪の意識を増幅させられた…