第8章 100エーカーの森 後編
____キングス・オブ・ダークネス
その世界こそ私の生まれた街だという
名前を唱えれば唱えるほど何か懐かしい気持ちと思い出せない歯がゆさを感じた
と、同時だった…
「彼女が例の闇の王か…」
花畑に突如現れた黒い闇
そこから黒いフードの男が二人現れて一人の男が私を指差した
「お前をゼムナスの元へお連れするよう命令されている」
「大人しくついてきた方が身のためだぜ?」
一人の男は手から巨大な斧をだして私へと脅しなのか刃先を向けた
もう一人の男も「ビビっちまってるじゃねぇーか」といいつつチャクラムを両手に用意する
【13機関ダ!ニゲテ!】
『っ!』
私はハートレスを片手に走り出すと後ろの二人も追いかけてきた
チャクラムの男に至っては投円してきて避けるのに私は必死になる
森に入れば彼らの視界の邪魔になる、と足を踏み入れるが「甘い!」とフードの男は斧を横に振りかぶると木々がどんどん倒れていく
『ど、どうしましょう!』
ソラ達にいま会っても彼らを危険にあわせるだけだ
このまま私は逃げ続けられるのか?
「もう終わりだ」
その一言が頭上から聞こえてぱっと後ろを振り向けば大きな斧が私の目の前を……、
ゴッ……
「本当にこのガキが闇の王なのかよ」
アクセルが地面に伏せた少女を指差し肩を揺らした
アクセルの言いことはわかるがあのゼムナスが言うのだ…彼女は何かしら機関に価値があるということ
俺は黙って少女を俵担ぎをし闇の柱を出現させた
「彼女は記憶が欠けている…今は俺達ノーバティとと同じ心のない器の身体のようなものだと思え」
「なるほどねぇ」
「仕事は終わった、いくぞ」
二人は闇の中へと入っていった
その姿を一匹のハートレスが遠くから眺めている
消える闇の柱を吸い込まれるようにハートレスは二人の後を追った