第4章 青い運命の島 後編
夜になり少し雲行きが怪しくなるのをただ黙ってノラは見ていた
『…イカダ大丈夫でしょうか?それに明日無事に出港できるのでしょうか…』
急に出てきた嵐…いずれすぐに去るだろうとノラベッドに横になった
『…~っ!』
イカダの心配で寝ることができずノラは靴を履き叔母さんには内緒で家を飛び出した
自分専用の船をこぎ、島につけば3つの船があった…どうやらリク、カイリ、ソラもイカダが心配で島に足を運んでいたらしい
『…っ!あれは!』
空に浮かぶ禍々しい黒い闇の空間…
非現実的な光景が目の前で起こっていてノラはすぐさま三人の安否を心配した
『ソラー!リクー!カイリーー!!』
桟橋を離れ島を探索する
砂浜を走っていると視界の先に影のようなものが地面から溢れでて…実体を成した
私の黒髪と似た身体の色に、私と似た金色の瞳…
どこか見たことのあるその姿…こめかみに痛みを引き起こした
その黒い影は一匹だけではなくノラの周りに2、3匹と現れノラを囲う
額を抑えてどうしようかと思考を動かした、そのときだった…____
________【探シタヨ、僕ノ家族】
『…………え?』
ゴゴゴゴ…
地面が大きく揺れる…
そして大きな黒い波にノラは飲み込まれもがこうと手を伸ばす
_______ソラッ!リクッ!カイリッ!!
口から空気の泡が漏れて意識が遠くなる
_____まだ、みんなに…言いたい、ことが……
だれも救うはずのないノラの手を何かが触れた…
それは人ではない黒く冷たい手だった