第28章 ??? 後編
とある一室
水晶を見つめていた黒いフードの背後、闇の柱からラクシーヌが現れる
「どうだった?」
黒いフードの男が水晶から離してフード奥から彼女に視線をよこすとラクシーヌは「面白くないわ」といって手を振った
「ソラの話をしたら餌を咥えた魚のように飛びはねてたわよ
はぁ順調すぎて逆につまんないわぁ…」
「それでいい、なにもするなよラクシーヌ」
男は再び水晶の中の人影を見つめた
その水晶にはソラの姿がうつり浮かない表情で階段をかけあがる様子が伺える
計画は順調だと男は薄く笑みを浮かべればラクシーヌは「ねえ」と1つ指をたてた
「私達の計画、ちょーっと付け加えない?」
「なんだ?」
「ソラの記憶を盛り上げるためにソラの中のノラの記憶を書き換えて"対立"させましょうよ!」
ラクシーヌは楽しそうに内容を告げるが男は冷静に「お前が楽しみたいからじゃないか?」と言えば彼女は首を横に振る
「ソラの記憶の中のノラは【ナミネをいじめていた】ことにするの
ソラはそのせいでナミネが島から消えたと思ってノラに敵意が向く
なにも知らないノラはソラの怒りに絶望して闇の力を更に手に入れる…ていう筋書き♪
そうすれば尚更【私達の計画】も順調に進むはずよ
…あの人はノラをつれこてこいって命令してたけど、
元々、"キーブレードの勇者と闇の王を私達の操り人形にする"わけなんだから、いいわよね?マールーシャ」
ラクシーヌが黒いフードの男に近づき自分の唇に人差し指をたてて妖しく笑みを浮かべた
マールーシャと呼ばれた男はラクシーヌの案に鼻で笑うとフードを脱ぎ去り桃色の長髪が揺れる
「お前にしては面白い計画じゃないか」
「でしょ?やっぱりマールーシャと私、気が合うわぁ~」
マールーシャはラクシーヌに背を向けて近くの椅子に座っていた白い少女に近づいた
びくりと体を跳ねさせた少女をマールーシャは威圧的に見つめる
「アクセルとその他の者に今の計画を喋ると…わかっているな?」
「ずっとこの城に閉じ込められる…はい…わかってます…」
「では実行しろ」そうマールーシャの催促に彼女は顔を歪ませゆっくりと鉛筆を握った