第27章 ??? 前編
目を開ければ黒い城の外、門の外に私はキーブレードを持ったまま立ち尽くしていた
まるで幻だったかと錯覚するが、同時にポーンとの記憶を全て思い出す
そして彼に言わなければいけなかったことも思い出した
『そうだ…私、ポーンにいわなきゃいけない』
ガシャンと門に触れるが開く気配がなく『開けてください』と乞うものの人の反応もない
キーブレードで叩きつけるが傷一つさえつかない扉に違和感を覚えるも私はあきらめてキーブレードを手元から消した
『ポーン!』
私の大きな声が闇の世界と目の前黒い城に木霊する
『私は、貴方と一緒に暮らした日々を思い出しました!!
忘れてて、ごめんなさい!
迷惑かけて、ごめんなさい!
そして、裏切ってごめんなさい!!』
黒い城にむけて頭を大きく下げるノラ
そのまま私は話続けた
『ポーンは気づいていたんだね
…私がいつか貴方を消そうとしていたこと
でもずっとずっと我慢して消える最後の日まで私を信じて守ってくれた…
私を最後まで信じてくれた
あのねポーン…私はすべての記憶が戻ったわけじゃないけど、これだけはわかる
…私は貴方の為に、貴方を救うために貴方を消そうとしていたこと
それが伝えられなかった…本当の気持ち
ごめんね、ごめんなさい、ごめんなさい…ポーン
そしてありがとう、私を好きになってくれて…』
ありがとう…苦しむ胸に手を触れ目をつぶっていると目の前のお城が光に包まれてやがて光は扉へとかわった
きっと出口なんだろう…真っ暗な空間に一筋の光
私は扉へと手をかけてその場を去っていった