第27章 ??? 前編
大蛇からは光線、両サイドから狂犬が鋭い牙を見せつけ噛みつこうと襲ってくる…ポーンからの攻撃範囲からよけて私はどう打破できるか考えを練っていた
『(この感じだと大蛇が後衛、狂犬が前衛という形でポーンは戦闘している…
ポーン本体はまるで意思が不安定な感じで朧気に足を運んでこちらへと詰め寄っていてその速度ははやくはない
この様子だと先に大蛇を止めるべきです)』
私はキーブレードを大蛇へと向けてファイガを唱えると無数の炎の弾は追跡するように大蛇へと当たった
苦しむ大蛇は力なく倒れるとポーン本体も苦しいのか雄叫びをあげる…ちゃんとダメージは与えられている!
私はすかさず左手の狂犬へとキーブレードを叩きつけ攻撃すると右手の狂犬が邪魔をするように襲いかかり距離をあけた
『(だめだっ!どちらかを攻撃をしようとすると必ずもう片方が反撃する…
こうなれば別の攻撃手段を探さなければ)』
大蛇にファイガを使った影響で魔力が底つき溜まるまでの間、私は攻撃を回避しながらポーンの体を観察した
『これは!』
ポーンの背後にまわりこむと背中にハート型のエンブレムが黒い棘のツルによって守られている
…あそこを攻撃すれば進展があるかもしれない!
私はたまった魔法エネルギーをキーブレードへ流して再び呪文を唱えた
『ファイラ!!』
見事背後のエンブレムへと炎は当たり本体だけではなく双手の狂犬も悲鳴をあげる…あのエンブレムがポーンの急所になっているんだ
背中を隠すようにポーンは私へと正面をむけ双手を大きく上へと掲げた
『今だ!…ストップ!!』
僅かな魔法で時を止める呪文を唱えれば光当たったポーンは動きを鈍くなる
直後私は滑るよう駆けてポーンの股の下を潜り、エンブレムが目の前にくるとキーブレードを振り上げた
『これで終わりです!!』
振り下ろしたキーブレードはエンブレムを叩き、直後光を解放するかのようにエンブレムが割れた
眩しくなる視界に私は目を瞑る
【身分違いの恋だったからあの時嘘といった】
【だからどうかお願いだ】
【また巡り会えたら…またお前を好きになりたい】