第2章 青い運命の島 前編
あの大きく曲がったパオプの木…
始めてソラ達にデスティニーアイランドに連れてきてもらったあの日…
イカダ造りの設計図は私が書くと言えば三人はとても喜んで仕事を任せてくれた
橋を渡った先に小さな木でできた小屋があってまるで秘密基地を模しててとても高揚が高まった
早速設計図を書きはじめて気づけば視界が赤くて、夕暮れなんだと外を見れば島の先にある大きく曲がったパオプの木にあの三人が座っていた
サボりだな、と一言三人に説教しようと走って橋をわたって思わず足を止めた
三人が笑いあって夕暮れを見届けていたのだ
私はこの先一歩でも踏み出してはいけない気がして………
その日は三人に黙って一人街へと帰った
後日、私の連絡先や住所を知らなかった三人は次の日に島で私と会うも猛烈に怒った
そして心配していた…
私は申し訳なさそうに謝ると同時にどこか三人に心配されてたというのにとても嬉しくてその日は一日中笑顔だった
「なんであの時一人帰ったんだ?」
ソラがチャンバラを手に首を傾げた
私は当時あの気持ちが何なのかわからなかったからソラには「疲れてたから」と曖昧に返事した
でもあの木に三人があつまることはその後も何度もあって、その度に私は遠くから三人を眺めてそして一人帰るのだ
この気持ちがあの「友達」の件と同じく疎外感からの嫉妬だとわかり、私は自分を嘲笑った
そして私はいつもと変わらず一人でオールを漕ぎだすのだった