第27章 ??? 前編
あのリクと似て違う少年の名前はポーンという
思い出した名前に私の感情は喜びとは真逆に胸には苦しいものを感じる
これは…悲しみ
何故この感情が彼の名前と共に溢れるように心から感じるのだろう
…彼は一体何者なのだろうか?
『そういえば…彼とこのあとは流星群をみるという約束をしていました
彼に会って直接話を聞いた方がいいのもしれない…』
私は彼を探しに探索して思ったことが一つ…彼以外誰もこの城にはいない
この城には彼一人で住んでいるのだろうか?
所々鍵のかかった扉があって入ることはできなかったが、彼の部屋と同じような大きな扉をみつけて"ここも何かある"、扉をみてそんな気持ちにさせられていた
城を一回りしたと思う…けれどどこにも彼の姿はなくてため息をついていると目の前に小さなハートレスが現れた
『!ハートレス!?』
キーブレードを抱えてハートレスに刃先を向けるも一向に私に襲う様子がみれない
なんだこの子…キーブレードを下ろしじっとハートレスを見つめているとチャプンと地面へ潜ったかと思えばスイーと流れるように奥の廊下へと進んでいった
…その廊下の奥はポーンの部屋へ続いている
もしかして、と私は走ってハートレスの後を追っているとハートレスは廊下から曲がって彼の部屋へと入っていった
私もあとに続いて入れば目の前のソファーに横になっているポーンがいた
「ん?もう終わったのか」
私の気配と足音に気づいた彼はソファーから飛び降り私へ向かって歩みを進める
「それじゃあいくか、主」
ニヤリと笑った彼の手に繋がれた私の片方の手
「あいつらが帰ってくる前に」と流星群をみるのが楽しみで高揚が高まっているのか幼くみえた
その姿がデスティニーアイランドでみたリクの姿と重なり、私はつい笑みを溢した